2024年10月2日水曜日

【考察】24年・凱旋門賞

日本のホースマンの悲願、叶うか。

去年のエースインパクトのような大本命がいない今年、馬券検討は例年よりさらに難しい。

出走馬が確定していない段階だが、人気上位となりそうな馬から考察していく。


日本オッズでも、現地でも上位人気となりそうな、シンエンペラー(日/牡3歳/坂井瑠星)。

前走、アイリッシュチャンピオンステークスは最後の直線でスムーズさを欠いた印象も、3着と健闘したと言える。本番に期待を抱かせる内容だったが、馬場は硬めだったようで、今年は重馬場となりそうな凱旋門賞の前哨戦として経験値的なプラスはあまりなかったのでは。

シンエンペラーにとってロンシャンの重馬場は未知数ではあるが、半兄が2020年の不良馬場の凱旋門賞を制したソットサス。血統的にはむしろ歓迎という可能性もあるが、どうか。

鞍上はフォーエバーヤングと今年のケンタッキーダービーに挑み3着善戦と大舞台で経験を積み重ねる坂井瑠星。


人馬ともに大きなポテンシャルを秘めていると思いつつ、馬券的にはやや人気過剰で本命・対抗までには評価できないかなという感じ。


そして武豊騎乗で日本では上位人気になりそうな、アルリファー(愛/牡4歳/武豊)

前走・ベルリン大賞(以下画像)は鋭く伸びて圧勝。ただ、前々走エクリプスSではシティオブトロイに直線で追いすがるも並びかけようとして差を詰められない、完敗のイメージ。

なお、シティオブトロイは凱旋門賞は出走せずBCクラシックに臨むよう。

アルリファーは超一線級に入ってどうかという疑問は残る。


武豊騎乗で心情的にはいちばん応援したいところだが、戦績からは過度の期待は?という感じ。他の有力馬を見てから。


続けて、フランスの牡馬クラシック戦線を賑わせたソジー(仏/牡3歳/ギュイヨン)ルックドゥヴェガ(仏/牡3歳/トーマス)の2頭、そしてこの2頭と前走で戦った同じ3歳牡馬のデリウス(仏/牡3歳/メンディザバル)を合わせて見てみたい。


まずは、6月頭にシャンティイで行われたフランスダービー(ジョッケクルブ賞)。

ルックドゥヴェガが好位から抜け出し勝利。

そして3着に、道中内ラチ沿い4〜5番手で脚を溜め、直線で馬群を割ってきたソジー。

ソジーの勝負根性が目に止まった。



そして、7月中旬に行われたパリ大賞典。凱旋門賞と同じ、ロンシャンの2400m。

ソジーが好位でピタリ折り合い、直線も鋭い伸びで抜け出し、最後まで危なげなかった。完勝。3着に追い込んだデリウスは、頭が高い走法が特徴的と思った。


ソジーは、フランスダービーの鬱憤を晴らした感じの快勝。


そして、この3頭が顔合わせした9月中旬のニエル賞。これもロンシャン2400m。

結果は、1着ソジー、2着デリウス、3着ルックドゥヴェガ。


5頭立てのこのレース、スタート後ソジーが一旦先頭に立ちそうになったが、抑えている間にルックドゥヴェガがゆっくりと先頭へ。他に行きたい馬もいないので仕方なく、という形に見えた。

レースはそのままゆっくり流れ、最後の直線で早めに先頭に立ったソジーが押し切り、2着に外から追い込んだデリウス。ルックドゥヴェガは叩き台だったのだろうか、ちょっとだらしなかった。(あと、フランスダービーの時と勝負服の色が変わっているのが気になった。)

・・と、3つのレースを見てこの3頭の比較を考えると、やはりソジーは期待できそうで、人気も集めそう。ルックドゥヴェガは2400mが少し心配。デリウスはレースぶりが荒削りな感じがするが、2021年の凱旋門賞を勝ったトルカータータッソとイメージが被る気も。抑えたい1頭。


続けて、フランスの牝馬クラシック戦線から、やはり2頭をまとめて見たい。

フランスオークス4着のアヴァンチュール(仏/牝3歳/未定?)と、イギリスの夏のG1、ナッソーS優勝馬オペラシンガー(仏/牝3歳/スミヨン)

この2頭は9月のヴェルメイユ賞で対戦しており、アヴァンチュールが2着で、オペラシンガーが5着。


この日、同じ2400m条件でこのヴェルメイユ賞、ニエル賞、そして凱旋門賞に出走予定のコンティニュアスが出走したフォワ賞が行われたが、このヴェルメイユ賞がタイムとしては2:31.53と最も速かった。(ニエル賞は2:34.33、フォワ賞は2:34.15)

タイム比較は安易にやるべきではないと思いつつ、トータルタイムで3秒ほど早いヴェルメイユ賞は少し評価を上げていいかも。

アヴァンチュールとオペラシンガーの比較では、最後の直線で一旦は先頭に立ったアヴァンチュールの方が期待が持てるか。オペラシンガーはナッソーSも見てみたが、2400mは少々長い印象。

しかし、実はこのレースの勝ち馬・ブルーストッキングも凱旋門賞に出走予定。

馬体重はわからないが、見た目にブルーストッキングの方がアヴァンチュールより逞しい体をしている。

最後の一踏ん張りは、このレースでも見られたようにブルーストッキングの方が効くのかも。


ブルーストッキング(英/牝4歳/ライアン)は、G1勝ちは牝馬限定の2勝だが、牡馬相手にも実績あり。

3走前のイギリスG1・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSはゴリアットの2着でオーギュストロダンに先着、2走前のイギリスG1・インターナショナルSは4着で日本のドゥレッツァに先着している。

インターナショナルSはシティオブトロイに完敗しているのが気になるが、これは距離不足と見てもいいのかもしれない。KJⅥ世&QES(2390m)、ヴェルメイユ賞(2400m)と好走しており、凱旋門賞も無視できない存在。


ここまで8頭見てきた中では、ソジー、ブルーストッキングあたりを評価したい。

また、こうして見ると、シティオブトロイとの比較で、エクリプスSで並びかけそうなシーンのあったアルリファーは思ったより強いかもしれない。

おそらく、この3頭の中から軸を決めることになりそう。

他に伏兵人気そうなところでは、ハーツクライ産駒のコンティニュアス(愛/牡4歳/未定)は、去年の凱旋門賞で5着と好走しているが、馬場が良かったのがこの馬にとって良かったのではと思われ、重馬場となりそうな今年は厳しいと見る。

あとは、ロスアンゼルス(愛/牡3歳/未定)あたりも伏兵人気しそうだが、これを買うなら、前走先着しているシンエンペラーを上にとりたい。


あとは、ドイツ馬で去年本命にしたファンタスティックムーン、4連勝中のフランス牝馬・マルキーズドゥセヴィニエも気になるが、枠順・騎手が決定したら考えたい。

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